ブラジリアン柔術ニュースブログブラジルブログ:高谷コラム「柔道界の分裂」Part.４

2008年08月17日

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高谷コラム「柔道界の分裂」Part.４

筆者は昭和６３年４月に大学に入学した。

入学後初の公式試合出場は５月１４日、講道館において行われた｢東京大学柔道体重別選手権大会｣であった。（ちなみに結果は８６キロ以下級１回戦で早稲田大の選手に敗退。）

この大会は全柔連傘下の大柔連主催のものであり、強豪と言える参加校は明治大・拓殖大・早稲田大といったところで、大学の柔道と言えば東海大、あるいは当時３年に後の｢平成の三四郎｣古賀稔彦選手を擁していた日本体育大学などをイメージしていた筆者は、やや華やかさに欠ける大会だという印象を受けた。

何か柔道界にトラブルが起こっている…というニュースを耳にしたことはあったが、初めてわが身にも関わることだと実感したものである。

｢４年間、こっちの連盟の大会にしか出られないのか…｣との思いもあった。

ところが、これを東京予選として後日開催されるはずの｢全日本大学体重別選手権大会｣は行われることがなかった。

この東京大会が大柔連最後のイベントとなり、すでに学生柔道界はその統一が決定していたのである。

さかのぼってこの年の２月２９日、東海大学の山下泰裕コーチらが文部省に当時の中島文部大臣を訪ね、内紛解決への尽力を願うとともに、全国の監督・コーチの署名を手渡した。

３月２４日には、国会議員柔道連盟が役員会を開き、新組織の人事にまで踏み込んだ調停案をまとめた。

こうした流れで新年度早々、ついに学柔連と大柔連がそれぞれ発展的解消・統一、新たに｢日本学生柔道連盟｣が誕生したのだった。

会長は後に政界のドンとまで言われた自民党のキングメーカー・金丸信氏。

同時に全日本柔道連盟も、会長は変わらず嘉納行光氏のまま、初めて財団法人格を取得しての再出発を果たすのであった…。

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ここまで、昭和の終わりに世間を騒がせた柔道界の分裂事件とその収束までを述べてきたが、昭和６３年６月には｢日本学生柔道連盟統一記念大会｣が盛大に行われている。

次回こそ真の最終回としてその大会の思い出と、この騒動を振り返ることで感じ得た（現在のブラジリアン柔術界を鑑みての）筆者の私見などを述べさせていただくことをお許し願いたい。

昭和６３年６月に行われた、
「日本学生柔道連盟統一記念大会」のプログラム。
この大会については次回、回想する。

統一された学生柔道連盟の会長となった金丸信氏。
後の自民党副総裁。
キングメーカーと言われた実力者であった。
１９９６年没。

当時から現在まで全日本柔道連盟の会長を務める嘉納行光氏。
嘉納治五郎師範の孫にあたる。
また筆者の柔道部の先輩でもある。

高谷聡（こうたに・さとし）
パラエストラ吉祥寺・代表。
ブラジリアン柔術・黒帯、柔道四段。
ＢＪＪＦＪ公認Ｂ級審判員。
現ＣＳＦ（コンバット・サブミッション・ファイティング）王者。
ＣＳＦ王座は2007年6/1、ニュージーランド、オークランド、トラスト・スタジアムにて前王者、ニール・スウェイルスと戦い、これを延長戦の末にポイント判定で降し王座獲得。
だが王座獲得の後、防衛戦の予定はない。（2008年7月現在）
※その試合の詳細は2007年06月01日のこのブログのニュージーランド編を参照のこと。
☆ニュージーランド編はコチラ、画像はコチラ！

★著者経歴
・昭和45年2月11日生まれ、38才(独身)
・昭和57年、12才で武道を始める。
・昭和59年、合気道初段。
・昭和61年、16才で柔道に転じ以降、高校・大学・実業団にて選手として出場。
・現在は母校の柔道部監督を務める。
・平成7年、柔道4段取得。
・実業団所属時代、鈴木道場サンボクラスに入門、初段を取得。
・平成9年、鈴木道場サンボクラスに出稽古の中井祐樹先生と知り合う。
・同年末に開設されたパラエストラ東京（当時パレストラ東京）に入門、ブラジリアン柔術を始める。
・平成13年、パラエストラ吉祥寺を設立。
・平成17年、ブラジリアン柔術の黒帯を取得。
・好きな女優は池脇千鶴、おニャン子クラブでは白石麻子が好きだった。