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2010年03月14日

「グレイシーマガジン#156 2010年4月号」レビューby山内 康悦


表紙はメダルを手にする青いキモノ姿の子供。

練習生からチャンピオンになる秘訣を金メダリスト達が指南



今回の巻頭インタビューは「現代のダビデ グットー・カンポス」。

先に行われたヨーロッパ選手権、黒帯メジオ級、アブトアブソルート級王者グト・カンポスが、メジオの体格でどのようにアブソルートで戦ったのか、今まで自分を育てたライバル達などについて語っています。



続いて、コラム「居心地のいい場所から自分を追い出せ」

グレイシー・バッハ・コロラドのインストラクター、マリオ・ビジー・コヘアが、柔術家によくありがちな、得意なポジション、ガードしかやらないスタイルを正す重要性についてかなりいいことを言っています。例えばクロスガードだけは黒帯レベルで後は青帯というのでダメで、勝つことより学ぶことが大事、勝利は一つの過程であることを忘れるな、と語っています。



そしてヨーロッパ選手権の完全網羅。ヨーロッパにおいても急速に浸透したBJJ、参加者の記録を更新した同大会を徹底取材。

タルシス・フンフェリーのみ判定で倒し、3試合を極めて勝ったアブソルート優勝のグットー・カンポス(ATOS)は、アブソルートへの出場について「最初は出るつもりなかったけど、みんなが絶対勝てるっていうから根負けしてエントリーしてしまったんだ…」というから驚き。ペザード級ではファビオ・グージェウが10年ぶりにアダルトでエントリーして優勝。

「多分またエントリーすると思う」と語っているので今後も楽しみです。



特集は「チャンピオンになるための35のヒント」

グレイシーマガジンはこういった自己啓発的な特集がよくあるのですが、日本語ではありえないブラジル人独特な発想が面白くて結構好きです。「チャンピオンになるため」というと先のマリオ・コヘアの文章と矛盾しているようにも感じますが、コンペティションで勝利を目指すことも柔術修行の醍醐味の一つだと思います。

「勉強は一生続く」ヒクソン・グレイシー

「もしあなたが試合中に感じていることを隠すことができなければ、相手はそれをあなたに対して使ってくるだろう」ファビオ・グージェウ

「チャンピオンは、もし自分と試合することになったら自分に勝つためにどういう練習をしなければいけないか、と自問自答しなければならない。単純なヒントだけど、練習計画や試合の戦略を立てるのにとても役立つから」レオ・ヴィエイラ


等々、かなり参考になる35のアドバイスが列挙されています。

「チャンピオンになるためには、チャンピオンのように生きないといけない。ただ単純に大会に出場するだけではだめだ」ハニ・ヤヒーラ

個人的にはこれが一番ヒットでした。



そして「1週間トレーニング・プログラム」のページ。

今回は「柔軟性の力」と題し、ムンジアル6回優勝のアネッチ・クアドロスが、特に女性に意識して欲しい柔術のムーブを写真付で解説しています。

内容的には基本のヒップスケープ、ガード、ベースをとる相手のグリップの切り方、クロスからの十字固めのバリエーション、スイープ、テイクバック。

技の受け手でアネッチの夫であるアンドレ・ネガオンは、今回の特集のコンセプトについて、「何度も女性がパワー不足を感じて柔術をやめてしまうのを見てきたので、柔術が「力」のスポーツではなく「方法」のスポーツであることを見せたい」と語っています。柔術の本質である「方法」が「力」を超えると信じている人に贈ります。



マーティン・ルーニーの「戦士のトレーニング」

今回は下半身強化の特集。下半身の強化は強いベースを作る上で柔術家には重要なのに避ける人が多い、ということでバーベルを持ってのスクワット、ランジなどを紹介しています。ちなみに、立ち姿勢で首の後にバーベルを持って体を前に倒すエクササイズは「ボンジーア」。



今回も柔術家必読の濃い内容のグレイシーマガジン、ブルテリアの通販にて発売中です!




山内 康悦(やまうち・こうえつ)
AXIS柔術アカデミー所属
175cm・75kg 
ブラジリアン柔術・茶帯 柔道・参段
カンペオナートアベルト05&07・アダルト茶帯レーヴィ級3位
イーストジャパン09・マスター茶帯メジオ級優勝






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