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2020年05月23日

【コラム】「ヒクソン・グレイシーと対峙した講道館柔道・村田直樹先生」byスロース荒井

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2020年、新型コロナウイルスの流行により、いま世界が大変な時期を迎えています。

ウイルス関連で国内のスポーツ界における最も大きなトピックは、柔道の研究・教育機関である講道館の建物内(東京・文京区春日)にある全日本柔道連盟の職員19人がウイルス集団感染となったことではないでしょうか。

4月19日には講道館理事の松下三郎氏が新型ウイルス感染による肺炎のために死去。

少し前の3月9日には講道館名誉館長/全日本柔道連盟名誉会長であり、柔道創始者・嘉納治五郎先生の孫にあたる嘉納行光氏が肺炎のために死去。

柔道界にとっては、あまりに悲しい現状だと察します。

その最中、私にとって大変ショックなニュースがありました。



4月9日、講道館図書資料部長の村田直樹先生の訃報です。(ウイルス感染とは報じられていません)

■朝日新聞デジタル「村田直樹さんが死去 柔道の嘉納治五郎研究の第一人者」はコチラから!

メディアでは「柔道界の知恵袋」、「嘉納治五郎研究の第一人者」と紹介された村田先生は日本武道学会の理事でもあり、数多くの学会や講演会で活躍されているような方でした。

書店で見かける月刊誌『近代柔道』(ベースボール・マガジン社)には村田先生の連載記事があります。

ここから先は、記憶を頼りに村田先生との思い出を紹介します。

私が村田先生と知り合ったのは、柔道の練習でいつもお世話になっている方を通じて「武道懇親会」にお誘いいただいたのがきっかけでした。

この「武道懇親会」とは主宰者である村田先生と繋がりがある人のみが参加するクローズドな集まりで、別名が”村田会”であったと思います。

数か月に一度のペースで開催されていた村田会は二部構成で、一部が勉強会、二部が飲食店に場所を移しての懇親会を行うのが恒例となっていました。

村田先生は柔道界の重鎮でありながら、どこの馬の骨ともわからない私にも分け隔てなく、気さくに接して下さったのが嬉しかったです。

また、私が柔術に取り組んでいることに対し、強い興味と理解を示して下さいましたが、それは意外なことでした。

なぜなら現在では柔道界に復帰されている小川直也さんや吉田秀彦さんがプロとして活動していた頃は、柔道の試合への出場や指導することさえも禁じられていると報道されており、柔道界は他流試合や他の格闘競技を認めないというようなイメージが強かったからです。

ましてや柔道の総本山である講道館の道場では道着の色は白のみ、男子は真冬の練習中でも道着の下のシャツ着用が認められないなど特に厳しい印象です。

柔術の試合に出場していた私も、その点で柔道界に対する負い目のようなものが若干ながらにありました。

ところが、村田先生は、そんなことお構いないなしと言わんばかりにブラジリアン柔術や総合格闘技についても興味津々で造詣が深いようでした。

そんな先生が講道館にいたことに驚き、とても感動したものです。

それから、事の経緯は覚えていませんが、ヒクソン・グレイシーが来日した際に宿泊していた都内の某高級ホテルに村田先生が出向いて、ヒクソンに会って話を聞いてきたエピソードを語ってくださいました。

ちなみに、ヒクソンは確かにその高級ホテルに宿泊していたと、後に橋本欽也さんからの裏付けが取れています。

また、グレイシーの方々がお忍びで講道館を訪れた際、案内役をされたのが村田先生であったとの事。

そこで、どんなやり取りが交わされたのか、興味が尽きません。

村田会には複数回に渡って参加させて頂き、その中で柔術をやっている人間の立場としての意見を求められるなど、私は村田会における"柔術代表"としての立場を確立していたように思っています。

勉強会はスライド資料を用いて村田先生が講義を行うスタイルで、それはとても楽しい時間でした。

柔道史、武士道精神など毎回テーマを変えて行われており、あらゆる角度から柔道を研究できて、大いに見聞を広めることができたように思います。

その中で特に印象に残っているのが、ブラジルの柔道事情をテーマとした回です。

2016年リオ五輪の前後の時期に柔道指導のためにブラジルに派遣された村田先生は、現地の柔道関係者に、まず始めに次のような質問をされたそうです。

「グレイシー柔術の祖である前田光世=コンデ・コマはブラジル人にとってどのような存在か?」

私が村田先生の立場であったなら、きっと同じような質問をしていたことでしょう。

それに対する回答は「コンデ・コマの名前を知ってはいるが、ブラジルにおいて、それほど有名な存在ではなく、人気が無い」と少し残念なものでした。

かつてヒクソン・グレイシーと対峙した村田先生はコンデ・コマのみならず、グレイシー一族への想いを馳せていたのかもしれません。

そういった内容の講義を聴いていると、村田先生がエネルギッシュで好奇心が旺盛であることが伝わってきて、それがとてもカッコ良く感じます。

ここ最近はお会いできていませんでしたが、村田先生と繋がったことが私の心の支えでもありました。

村田先生の職場である講道館の中には入場無料の柔道資料館・図書室があり、外国人にも人気のスポットとなっています。(ちなみに数年前に行ったとき、外国人柔術家とばったり会いました。)


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柔道資料館・図書室で会ったブラジル人柔術家。
GFチームの選手だったようです。




今すぐ資料を読み漁りに行きたいたい衝動に駆られましたが、現在の講道館は閉館中のために叶いません。

そこで、いまはブラジルブログの2012年1月9日更新記事で高谷聡さんが名著と絶賛された村田先生の著書『柔道の国際化<その歴史と課題>』((財)日本武道館刊 2011年)を手にしてみたいと思います。



【参考】
講道館 
村田直樹さん死去 嘉納治五郎を研究:朝日新聞デジタル 

【筆者紹介】
荒井勇二 Twitter:@araiUG
講道館柔道参段(略称:柔道三段)となってから15年が経過。
東京都NO.1の地区を争う3人制の柔道団体戦「都民体育大会(春季)」や5人制の「東京都24地区対抗柔道大会」(いずれも会場は講道館)に中央区の代表選手として出場した経験がある。



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