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2010年02月27日

足立弘成氏・著「ロシアンパワー養成法・復刻版」発売!中井祐樹氏インタビュー


「柔術魂」「サブミッション」魂シリーズを刊行している(株)晋遊舎・格闘技編集部の須々あきらです。

この場をお借りして、新刊本の告知をさせていただきます。

2006年に刊行された「ロシアンパワー養成法」という本をご存知でしょうか。

日本トップサンビストとして活躍した足立弘成氏が、自らの旧ソ連サンボ留学の体験を元に編み出した格闘トレーニング法や、サンボの投げ技・関節技を理論的に細かく解説した本で、発売と同時に、格闘技愛好家やトレーニング愛好家の間でたちまち話題の書となりました。

ですが発刊した出版社の倒産などによって、ながらく品薄の状態が続いていました。

ちなみに通販サイトAmazonの中古本市場では、8,000〜13,900円の高値が付いていたほどです(2010年2月25日現在)。

その「ロシアンパワー養成法」を、著者の足立弘成氏、当時の編集スタッフの方々のご協力のもと、晋遊舎より復刻発売することになりました!

復刻版の帯には、柔術家のみなさんにはお馴染みの中井祐樹さんが推薦者として登場しています。

というのも、格闘技雑誌「GONG KAKUTOUGI」の2008年1月号の「武道&格闘技 ワタシのこだわりBOOK」という企画で、中井祐樹さんが、数ある格闘技書籍のなかで「ロシアンパワー養成法」を最もお薦めする本としてあげていたのです!

それでは中井祐樹さんのインタビューをお届けします。

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「格闘家に刺激と指針を与えてくれるすごい本!」

――中井さんは、「GONGU KAKUTOGI」誌(以下、GONKAKU)の2008年1月号(11月発売号)の「秋の夜長に眺めたい、武道&格闘技、ワタシのこだわりBOOK」という企画で、本書をベスト1にあげていらっしゃいますね。本書を知られたのはいつごろのことでしょうか。

「著者の足立(弘成)さんは、僕がアマチュア時代、(北海道から)上京したてのころから一方的に存じ上げている方で、『格闘技通信』に載っている足立さんの記事をよく読ませてもらっていました。

またそのころにサンボの全日本大会を観に行っていたのですが、萩原(幸之助)さんや足立さんは、注目して観る筆頭の選手だったのを覚えています。

 この本に出会ったのは出版されてすぐ(2006年4月)のことだったと思いますが、最初はサンボの本(サンボのみの専門書)だと思っていました。

ですがあらためて実際手に取って読んでみたら衝撃でした。

まずその論旨の明快さに圧倒されましたし、トレーニングの手段と目的を一致させる、ということをこれほどハッキリ言っている本は見たことがありませんでした」


――それは具体的にはどういうことでしょうか。

「昔からサンボではロシア人が圧倒的に強くて日本人とは相当差があるということをよく聞いていました。

でもそれは人種的、遺伝的などうしようもないものではなく、実はトレーニング方法の違いによって培われたものであると。

 一般的なトレーニング、つまり特定の部位を鍛えるための筋トレでは、最初は格闘技で勝つための手段として始めたはずが、筋肉を鍛えることそのものが目的になってしまいがちです。

しかしロシア式トレーニングは体全体を連動させて行う、格闘技で戦うことに直結している。

まさに勝つためだけのトレーニングであるということがハッキリしています。

 ヒョードルの戦い方はサンボ的だというようなことも書いてあるんですけど、サンボの考え方って完全に勝利優先なんですよね。

勝つためにやっているのであって一本を取るために戦っているわけではないだろう、という」


――GONKAKUの「こだわりBOOK」企画でも「確実な勝利か一本勝ち至上かと論議が沸騰した北京五輪の柔道を想起して読むのも一興だろう」と本書を評していますね。確かに本書では、サンボの戦略とヒョードルの戦い方を興味深く論じています。

「サンボは完全に勝利優先ですよね。一本を目指すことと勝つことは別じゃないですか。勝ちは勝ちだと。

 北京五輪でもスポーツ新聞は、一本にこだわるか勝ちに徹するか、ということが書かれていたんですけど、何か空虚に感じたんですよね。

その点この本はすごく明快です。

 トレーニング法と勝利への志向を合致させる、勝つためのにこういうトレーニング法になっていく、とういことがこれほどハッキリ語られている書物は、僕の知る限りほぼ無かったですね。

だからこの本は衝撃でした。

衝撃だったけど、僕の中では誰かがこういうことをハッキリ言ってくれるのを待っていたところもあったと思います」


――本書では他に、食生活や休養法などトレーニング以外についてのことにも触れています。

「やはり強くなるためには結局生活のことになってきますよね。

本書にもあるようにロシア人の強さっていうのは生活とサンボが一緒になっているからですよね。

 アーサー・リディアートの『ランニングバイブル』というマラソンの古典にも書いてあるんですが、基本的に(トレーニングの)休みの日が無いんですよ。

それと同じように、超回復は無視しろとか画期的なことも書いてあって、日本人としての格闘技との付き合いかた、格闘技とライフスタイルとの連動を深く考えるようになりました」


――確かに本書では、著者・足立氏の旧ソ連のサンボ留学やその他の実体験にもとづき、理論が分かりやすく展開されていて、非常に納得のいくものですし、目からウロコが落ちるような感覚がありますね。
 では本書が、選手また指導者としての中井さんに与えた影響はどのようなものだったのでしょうか。

「もう格闘技という枠を完全に取っ払ってくれましたね。

 いま現在の柔術の日本人トップ選手も本当に職人だと思いますし、すごい(技術)レベルにあると思います。

だけどそのような彼らのやり方を持ってしても世界のトップを取れないのなら、僕らは違うやり方も考えなければいけない。

それが何なのかと考えたら、やはりこういう風な考え方をしないとぶっ飛べないですよね」


――本書は、ぶっ飛んだ発想をもたらしてくれるほど衝撃的だったと(笑)。

「そうですね。強くなっていくということは何かをふさぐ事から生まれてくることではないし、やはり柔術は未だにグレイシーが確立したフォーマットから抜け出せていないと思います。

この本からは、まだまだできることがあるんだという刺激や、指針となるヒントを多く与えてもらえました。

これからもどんどん新しいことをやっていこうと思っています」


(2010年2月・パラエストラ東京にて収録)


中井祐樹(なかいゆうき)
1970年8月18日、北海道出身
日本ブラジリアン柔術連盟会長、パラエストラ東京代表
北海道大学柔道部在籍時に高専柔道の流れを汲む七帝柔道で京都大学の11連覇を阻み団体優勝。その直後、シューティング(現・修斗)転向のため退学、上京し横浜ジムに入門する。
修斗第3代ウェルター級王座獲得(1994年)
バーリトゥードジャパンオープン1995 準優勝(1995年)
パンアメリカン柔術選手権(パンナム) 茶帯ペナ(-67kg)級 優勝(1998年)
ブラジリアン柔術ブラジル選手権(ブラジレイロ) 黒帯ペナ級 3位(1999年)


☆足立弘成の「サンボラボ」HPはコチラから!


☆晋遊舎「ロシアンワパー養成法・復刻版」HPはコチラから!





本書は中井祐樹がゴンカク誌上の
「武道&格闘技 ワタシのこだわりブック」で
NO.1に推薦している本の復刻版!
格闘家必携の1冊だ!
定価1575円。





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