2011年07月24日
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MG in Action、愛用者の感想:森 雄大選手
ブラジルブログをご覧の皆様はじめまして、パラエストラ吉祥寺に所属しております森と申します。
このたび橋本さんの依頼により、こちらで「MG IN ACTION」のレビュー記事を書かせていただくことになりました。
今までも数々の有名選手の皆様が「MG IN ACTION」のレビュー記事を書いているので、今ご覧になってる多くの方が「お前誰やねん?」と思ってらっしゃると思います。
ボク自身はどこの道場にでもいる、柔術大好きなオヤジに過ぎませんが、最近では晋遊舎さんから発行している『柔術魂』シリーズのデザインを担当しているので、もしかしたら『柔術魂』シリーズを介して間接的に皆様と関わってると言ってもいいかもしれません。
前置きが長くなってしまいましたので、そろそろ本題を……。
「MG IN ACTION」は簡単に言えばマルセロ・ガルシア(以下マルセリーニョ)が主宰している、オンラインの柔術トレーニングシステムです。
マルセリーニョに関してはいまさら説明はいらないでしょう。
先日行われたWorld Jiu-Jitsu Championship(以下ムンジアル)でも盤石の強さを見せつけ、神々の階級と言われた黒帯メジオ級で5度目の優勝を達成したスーパー黒帯中のスーパー黒帯。
そして神の中の神ということは柔術をやっている方にとっては周知の事実だと思います。
そんなマルセリーニョのテクニックをネット環境さえあれば、いつでもどこでも見られてしまうというのがこの「MG IN ACTION」です。
言ってしまえば、風呂上がりにビールを飲み、尻でも掻きながら「今日はマルセリーニョに教えてもらおうか」くらいの感覚で、お気軽にムンジアル5回優勝のテクニックを堪能することができるのです。(もちろん神様マルセリーニョの前でそんな礼儀に欠けるようなことはできないという方は、道着を来て正座をして見ていただいてもけっこうです)
毎日更新されるテクニックは2011年7月15日現在、GI、NO-GIを合わせてなんと「6205」ものテクニックが紹介されています。
特にマルセリーニョ得意のバタフライ(今年のムンジアル決勝でもルーカス・レイチをスイープしてましたね)からの展開は「2842」と最も多く紹介されています(実際にはスパー映像なども入っているので、全てがテクニックではありません)。
似たような技も被ったりしてはいるのですが(例えば立ってる状態と寝てる状態からでの違いとか)、この数字を見ただけでも「MG IN ACTION」の価値を感じられるはずです(※個人の感想です)。
ただ「でも解説は日本語ではないんでしょ?」とか「どうせネットならYouTubeで充分じゃね?」とか思われる方も多いかもしれません。
もちろんマルセリーニョによるテクニックの説明は英語ですし、サイトのほとんどが英語によるものです(トップページのみ日本語対応)。
ボク自身英語は全くできません……。
入国審査でもたじろぐくらいですから。
でも大丈夫我々には「柔術」という共通言語があります、日常会話程度の英語ですら分からなくても柔術のことならなんとなく理解できるって人も多いのではないでしょうか?
映像に関しては全く問題はありません。
うちの27インチのモニターでフルスクリーンモードで見ても少し画像が荒れるくらいです。
ただ固定カメラによる映像なので「こっちはどうなってんの!」とか「反対側の足がどうなってるのか分からない……」なんてこともあるかもしれません。
ですがそのあたりはきちんとマルセリーニョがケアしていて、移動して別アングルから見せてくれたり、カメラのアングルを変えてくれたりなど、意外にも(失礼)細やかな対応をしてくれます。
「英語が理解できない」「固定カメラで細かい部分まで見えない」というのは、必ずしもマイナス要素ではないと思います。
柔術の技を身につける上で「想像力」というのは最も重要な要素の一つではないでしょうか?
いくらムンジアル5回制覇のマルセリーニョが教えてくれるテクニックでも、1から10まで全てが自分に合うとは限らないはずです。
体の柔らかさや、腕、脚の太さなど人それぞれだし、技をマスターするということは結局どこかで自分なりのコツをつかまなくてはならない、その為には自分の想像力を駆使する必要があるはずです。
ですので逆にこういったマイナス要素が、むしろテクニックの理解を深めるにはプラスになるのではないでしょうか?
最短距離で教わった技術よりも自分で創意工夫して培った技術の方が自分の身につくこともあるはずです。
またクラスが終わったあとに「昨日、MG IN ACTIONでこんなの見たんだけど、英語だったから良くわからなかったんだけどさ〜どう思う?」なんて言ってみんなで研究し合う、なんてのも柔術の楽しさの一つだと思います(※あくまで個人の感想です)。
ボクは週に2コマ、パラエストラ吉祥寺で指導をさせていただいているのですが、指導者(というにはおこがましいのですが)の立場から見ても「MG IN ACTION」は非常に有益で、自分の持っているテクニックのおさらいや、マルセリーニョ独自のコツなんかも参考にすれば指導の幅も広がるのではないでしょうか?(※しつこいようですが個人の感想です)
以上、少々長くなってしまいましたが、この文章を読んで「MG IN ACTION」に興味を持ったという(奇特な)方がいらっしゃったら、当ブログのサイドバーにリンクが貼ってありますのでぜひチェックしてみてください。
あ、あと『柔術魂』シリーズも今後ともよろしくお願いいたします(笑)。
スパーの映像もあるので、生きたテクニックを見ることもできます。
例えばスパー映像でノースサウスチョークを見てこれを覚えたいと思ったら、テクニックページに飛べばすぐに見られるのも「MG IN ACTION」の良いところ
森 雄大(もり・たけひろ)
パラエストラ吉祥寺所属。
ブラジリアン柔術茶帯、たまにエディトリアル・デザイナー(柔術魂シリーズなどをてがける)。
主な戦績
2006年 パンアメリカン選手権(当時) マスター青帯ペナ級優勝
2009年 全日本選手権 アダルト紫帯メジオ級優勝
2010年 アジア選手権 シニア1茶帯メジオ級優勝
DEEP X 04出場
©Bull Terrier Fight Gear