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2013年01月10日

高谷コラム:古典紹介「格闘技バイブル」

昭和63年の初め、ベースボールマガジン社より発刊。

著者は後の衆議院議員としても知られる松浪健四郎氏。

本著はプロレス雑誌から派生した「格闘技通信」連載のコラムをまとめたものであり、松波氏は多分にプロレスリングのスポークスマンとしての筆致に終始している。

が、今回再読して筆者が注目したのは、当時プロレスとのコラボによりその技術がクローズアップされていた、サンボの啓蒙に力を入れていた点である。

読み進めていくと第六章「柔道とサンボ」の章に至り、一気にその論調は活気を帯びていく。

「格闘技は学ぶことより発想しろ!」「サンボは技を創造する格闘技だ」「」近代柔道のサンボ化現象に時代の流れ・・」といった項目は、現代の我々ブラジリアン柔術に携わる者たちにも指針を与えてくれる、興味深いものである。

当時、筆者も同じであったが、本著などを読んでサンボをやってみたいと思った青年は多かったことであろう。

が、せっかく啓蒙者の存在がありながら肝心のプレイする場所が少なかったことは、日本におけるサンボ普及にとって致命的であった。

サンボとは違ったかたちで啓蒙されたブラジリアン柔術。

その道場がこれだけ存在する現状をみると、あの「サンボブーム」をもっと生かせていればと、専門家ならずとも勿体無く思うところだ。

今、サンボは来年行われるユニバーシアード競技として、久しぶりと言ってよい注目を浴びている。

素晴らしい体系を持つスポーツだけに、ブラジリアン柔術同様、日本においても大いに普及されていくことを願わずにはいられない。

さて、もちろんサンボの項だけでなく、全編を通じて興味深い一冊「格闘技バイブル」。

まもなく発行25年になる、色あせることない格闘技関連の名著である。




昭和63年、ベースボールマガジン社より刊行された「格闘技バイブル」。




前文には「パラエストラ」のルーツである
古代ギリシャ「パライストラ」に関する記述も。





高谷聡(こうたに・さとし)
パラエストラ吉祥寺・代表。
ブラジリアン柔術・黒帯、柔道四段。
JBJJF公認A級審判員。

現CSF(コンバット・サブミッション・ファイティング)王者。
CSF王座は2007年6/1、ニュージーランド、オークランド、トラスト・スタジアムにて前王者、ニール・スウェイルスと戦い、これを延長戦の末にポイント判定で降し王座獲得。
王座獲得の後、2年ぶりに王座防衛戦を行い、激戦の末に王座防衛を果たす。(2009年5月)
★CSF王座防衛戦の様子はコチラから!
★CSF王座獲得のの詳細は2007年06月01日のこのブログのニュージーランド編を参照のこと。
☆ニュージーランド編はコチラ、画像はコチラ

★著者経歴
・昭和45年2月11日生まれ、42才(独身)
・昭和57年、12才で武道を始める。
・昭和59年、合気道初段。
・昭和61年、16才で柔道に転じ以降、高校・大学・実業団にて選手として出場。
・現在は母校の柔道部監督を務める。
・平成7年、柔道4段取得。
・実業団所属時代、鈴木道場サンボクラスに入門、初段を取得。
・平成9年、鈴木道場サンボクラスに出稽古の中井祐樹先生と知り合う。
・同年末に開設されたパラエストラ東京(当時パレストラ東京)に入門、ブラジリアン柔術を始める。
・平成13年、パラエストラ吉祥寺を設立。
・平成17年、ブラジリアン柔術の黒帯を取得。
・好きな女優は池脇千鶴、おニャン子クラブでは白石麻子が好きだった。

★高谷さんの人気コラムシリーズはコチラから、ブログはコチラから!



©Bull Terrier Fight Gear

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