2014年06月19日
【レビュー】DVD:The Miyao Brothers/The Berimbolo and Beyond

いま世界的に人気・実力ともトップクラスにあるパウロ&ジョアオのミヤオ兄弟。
黒帯昇格後、1年目にして兄弟揃ってムンジアル準優勝は快挙といえる活躍でしょう。
ほぼベリンボロ一本槍でその試合スタイルは研究され尽くされてるはずなのに、それでも決めてしまうベリンボロはまさに必殺技と呼ぶに相応しいもの。
少し前まではベリンボロ=メンデス兄弟というイメージでしたが、いまは完全にミヤオ兄弟の代名詞となっています。
ベリンボロのオリジナルはサムエル・ブラガで、技を認知・拡散させたのはメンデス兄弟、そしてベリンボロを発展させて独自進化させたのはミヤオ兄弟。
そんなミヤオ兄弟の初の教則DVDが今作品です。
DVDのパッケージデザインもチープで発売元のクレジットさえない怪しさ満点ではありますが、内容的には折り紙つき。
なにしろ現役のトップ選手が自分の得意技を惜しげもなく公開してるだけに説得力は充分!
収録されてるテクニックもミヤオ兄弟が実際に試合で使ってるモノばかりなので、ミヤオ兄弟の試合を見たことがある方ならばどっかで見たことあるな、と思うはず。
これはDVD4枚組みで各ディスク40分ほどなのでサクッと見れてしまいます。
なので4枚組でも2時間半ほどなので詰め込んでしまえば余裕で1枚にできたんじゃ?と思いますが、これはあえて枚数を多くして値段を吊り上げる作戦でしょう。
ちなみにディスク1はデラヒーバ&バリエーション、ディスク2はXガード&その他、ディスク3がベリンボロ&Wガード、ディスク4がパス&パスのカウンターとなっています。
目玉はやはりベリンボロが収録されてるディスク3ということになるんでしょうが、いまベリンボロの教則動画はメンデス兄弟がYouTubeで無料公開してたりして、それ自体には特筆すべきものはないかもしれません。
が、基本のベリンボロ〜バック以外のバリエーションの豊富さはこんなのもあるのか!と新たな発見が多数ありました。
またディスク4ではパスガードが収録されてる点にも注目!
ミヤオ兄弟のパスガードの教則動画はこれが初出しと思われます。
さらにパスガードに対するカウンターもミヤオ兄弟の試合でよく見るテクニックがいくつも!
個人的には両足担ぎに対するカウンターのバリエーションは面白かったです。
そしてWガードからの展開もいわゆるモダン柔術的なムーブが多数収録されてるとこも高ポイント!
このDVDで最初に見るべきはディスク3と4ではないでしょうか?!
逆にいえば、この2枚だけでもよかったのでは?と思うほどの充実度です。

ジョアオがムンジアルのvsブルーノ戦で見せたラペラを引き出しての
スイープも収録されてました!

ベリンボロ&Wガード以外ではXガードからのスイープや
パスガードもいいテク満載!
いいとこだけでなく悪かったとこも。
基本的に今作品ではテクニックのやり方を淡々とレクチャーするだけで、ディテール的な説明は一切ありません。
ここを持つにはこういう意味がある、とかこうやってはいけない、なぜならば〜みたいな説明は皆無です。
理由としてはミヤオ兄弟が指導の経験があまりないということ、そして物事を伝達するというコミュニケーションが不得意ということが挙げられるでしょう。
これではテクニックのやり方はわかっても、テクニックの細かいディテールの理解度はかなり厳しいかと。
あと細かいとこを言うとDVDのパッケージ(入れ物)がショボくて噛み合わせが悪くて、すぐパカパカ開いてしまいます。
さらにジャケのデザインも明らかな手抜きで同じ写真を表ジャケ&裏ジャケ、そして盤面にまで使い回すという荒技も!
それらのマイナス面を差し引いても、内容的なプラス面が上回るのでこれは買い!
特に最新テクニック好き&モダン柔術好きはマストバイ!なDVDセットといえるでしょう。

【近日入荷予定】
『The Berimbolo and Beyond』
by The Miyao Brothers
©Bull Terrier Fight Gear



