2016年06月16日
【インタビュー】ヘナー・グレイシー
ヘナー・グレイシー
今回のセミナーでは4クラスで1日8時間、生徒にとっても僕にとってもエネルギーが必要だったけど、こんなにみんなに気に入ってもらえてとても嬉しいよ。
何千マイルもかけて発展させた、僕の柔術人生で1番重要な技術を日本に残せたこと、その技術が日本で皆に練習され、伝わっていくことを考えるととても嬉しいし、まだこれからマラソンできるくらいエネルギーが湧いてくるよ。
また来年も他の四つのテクニックのスーパーセミナーをやりに日本に戻ってくるよ。
こうやって僕の柔術が日本にも生きていくんだ。
グレイシー柔術とブラジリアン柔術の違いはなんですか?とよく聞かれるけど、全てのブラジリアン柔術が元はグレイシー柔術からきている。これに関しては議論の的になる事がよくあるけど、一般的に、大まかに言えば同じだよね。
全体的には同じものと言えるけど、現在の柔術教え方は本来あるグレイシー柔術の教え方のルーツに沿ってないところが多い。
ルーツは同じでもグレイシー柔術はパンチの防ぎ方や、エネルギーの使い方、距離の取り方など誰でもできる事だ。
しかし今日のブラジリアン柔術では競技に特化した指導者が増えているように感じるね。
彼ら指導者は生徒に自分たちがどうやって試合に勝ってきたかを教える。
そしてパワー、スピード、運動能力などに頼ることも多い。
そうやってグレイシー柔術は失われてきている。
僕は祖父であるエリオ・グレイシーが作り上げてきたグレイシー柔術を守り、残していきたいんだ。
グレイシー柔術の定義は人それぞれだと思うけど、僕にとってのグレイシー柔術は体重やパワーなどに左右されず、誰でも使えるテクニックで、それは柔術対柔術でしか使えないような技術ではない。
僕たちがロサンゼルスで教えているグレイシー柔術やエリオの考えは世界では知られていない。
今日もパンチの防ぎ方も知らない紫帯の人もいた。
想像できる?
柔術の紫帯がパンチの防ぎ方1つも知らないんだよ。
こんな事があってはならない。
だから僕たちは今までグレイシー柔術を広めてきたし、それを今後も続けていくよ。
ベリンボロやラペルガードなど、最近ではモダン柔術と言われる色々なテクニックがでてきた。
モダン柔術の革命についてはとても感心しているし素晴らしい技術だと思う。
ただ最近使われているモダンテクニックは同じ事を知っているような人と柔術で対決するような環境でしかつかえない。
お互いが同じようなゲームを同じレベルでやることができる場合のみだ。
柔術が進化していくのは悪い事ではない。
ただ生徒達に選択肢を与えなくなる事が問題なんだよ。
彼らはおそらくベリンボロを学びに来ているわけじゃない。
生き残るために学びに来ているんだし、自分に自信をつけるために来ているんだ。
最大の懸念はそのような人たちにモダン柔術と呼ばれるテクニックばかりを教える事だ。
僕と弟は最近ヒクソンと一緒にその解決策をさがしている。
現在、99パーセントの柔術の道場ではパンチブロックなどのセルフディフェンスを習うことができない。
そんなのはおかしいと僕は思うよ。
これから僕と弟、そしてヒクソンとでこういった競技偏向になってしまっている現状を本来のグレイシー柔術に回帰させられるように努めていくつもりだ。
これからいろいろと大きな仕掛けをやっていくのでぜひ僕らの動きを注目して欲しいね。
interview by Takafumi Sano / AXIS Yokohama
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