2016年08月24日
btbrasil at 10:37 Permalink
【Review Wednesday】「BLACK MAGIC HALF GUARD」
みなさんおつかれさまです、「Jiu Jitsu NERD」ライターの成田です。
立て続けの台風で夏の終わりを痛切に感じ、「今年の夏も何も出会いがないまま終わった」という感慨から仕事がまったく手につかない今日この頃ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今回の「Review Wednesday」は、Digitsuの新作教則DVD「BLACK MAGIC HALF GUARD」を紹介したいと思います。
……が、このDVDに登場するダン・コーヴェルという柔術家について、僕はまったく知識がなかったのでひとまずググってみることに。
日本語では「マルセロ・ガルシアのアカデミーでインストラクターをしている」くらいの情報しか入ってきませんでしたが、スクランブルのスポンサー選手らしく、同社HPには2002年から柔術を始め(6歳から柔道はやっていたそうです)、2010年からはマルセロ・ガルシアの元で練習をスタート。
黒帯はPhil Migliareseから授かっているとの情報が。
さらに本人HPをのぞいてみると、現在はNYのマディソン・スクエア・ガーデン近くで自身のクラスも持つNYベースの柔術家で、昨年はIBJJFのNY BJJ PROマスター1黒帯フェザー優勝をはじめ、NYスプリングインターナショナルではギで3位、ノーギで優勝。2012年にはノーギ・パンナムでマスターミディアムヘビー優勝などの実績もあるとのこと。
ギ、ノーギともに積極的に試合を行うマスター世代の柔術家といった塩梅ですが、彼の教則DVDはこれが初めてではなく、Digitsuからはクローズドガードに特化したDVD「BLACK MAGIC CLOSED GUARD」も発売されています。
クローズドガード好きというか、それしかほぼできない僕としてはノーマークだった前作のほうが気になりつつも、いざ本作を再生してみました!
と、教則DVDでよくある「今日は僕のフェイバリットテクを紹介するよ!」的なイントロダクションをスッ飛ばし、いきなりテクニックからスタート。
冒頭はニーシールドで守っている相手へのパスガードでしたが、相手のパンツとともに襟を持って仕掛けていく一般的(?)なパスの入り方と異なり、ダンの場合はパンツを持つと同時に相手の頭を後ろから抱えてプレッシャーをかけるというものでした。
ギを着ての教則DVDながら、ノーギでの応用も考慮されているのかもしれません。
その後、ディープハーフへのカウンターのキムラ、下からアンダーフックをされてスイープされそうな状態からのパスガード、フェイントからマウント→アームロックなど、ハーフを入れられた状態からのパスや極めが続きます。
中盤には、本作のタイトルでもある「BLACK MAGIC」を冠にしたアームロックが登場。
ここからは下からの展開となり、アンダーフックを取った状態から相手の首裏の襟を引き起こしてスイープしつつの腕十字や、三角、チョーク、キムラなど、アグレッシブな極めを連発。
手数も少なくシンプルなテクニックで、中上級者の方にとっては基本的なものかもしれませんが、ハーフをキープ、あわよくばスイープするので精一杯な自分にとっては、「ハーフからでもこれだけ極めのチャンスがあるもんだ……」と思い知らされた次第です。
その後もリバースハーフ相手のバックテイクやカーフスライサー、アームドラッグ、そしてニースライスへのカウンターのアームロックやリストロックの解説が続きますが、ひと通り見終わって思ったのは、上下限らず極めまでいくテクニックが非常に多いということ。
また冒頭で感じた「ノーギでの応用も〜」も気のせいではなく、ギでもノーギでも使える仕掛けが全編に散りばめられているのも印象的でした。
ハーフガードといえばカイオ・テハの7時間超えDVD「111 HALF GUARD TECHNIQUES」が名作として現在も売れ続けていますが、インバーテッドやリバースハーフなどからの展開もひと通りフォローしつつ、70分という良心的な時間に収めてある本作も、ハーフ使いで極めに強くなりたいという方にとっては一見の価値がありそうです!
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