2016年08月31日
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【Review Wednesday】ジョー・モレイラ『OLD SCHOOL SMASH PASS』
みなさんおつかれさまです。「Jiu Jitsu NERD」ライターの成田です。
週末にラスベガスで開催されたワールドマスターでは、カーウソンJr.が18年振りに試合を行うなど、レジェンドたちの活躍が話題になっていましたが、その流れに乗って「Review Wednesday」でも往年のビッグネームによる教則DVDを取り上げてみようと思います。
タイミングよくBudo Videosから発売されたのが、ジョー・モレイラの「OLD SCHOOL SMASH PASS」。ビッグネームとはいえビギナーの自分は耳にしたことのない名前だったため(毎度のことで恐縮です!)、同じくBudo Videosが制作している人気番組「THIS WEEK IN BJJ」のインタビューや、「BJJ HEROS」からチェックしてみることにしました。
1961年にリオで生まれたジョー・モレイラは、現在コラル帯の8段(!)。
5歳から柔道をはじめ、柔術はヘウソン・グレイシーやフランシスコ・マンスールのもとで練習し、黒帯も両者から授かったといいます。
柔道の特待生として日本で練習していた時期もあり、90年代初頭にかけては、ブラジルで黎明期の大会をオーガナイズ。その後、柔術がまだ根付いていなかったアメリカに渡り、自身の名を冠したトーナメント「ジョー・モレイラ・カップ」を立ち上げーーなどと、ざっくりとチェックしただけでも、この競技の発展にめちゃくちゃ大きな功績を残してきた人物だと知りました……(初期UFCにも参戦!)。
YouTubeで検索すればホイラーやエディ・ブラボー、そしてボンサイ柔術創始者のアジウソン・ソウザらと戦っている試合もアップされているので、そちらもチェックしていきたいところですが、肝心のDVDはというと、自分の体重を利用して相手を伸ばしてパスするスマッシュパスの“大原則”を徹底的にレクチャーするという内容です。
冒頭でコンセプトの解説にじっくりと時間を割き、トップにいるときは
・相手をヒザでしっかり捉えておく
・3〜4点でベースする
・相手と正対する
ことが大切。そしてガードに入ったときには
・相手の太腿をコントロールする
・相手のディフェンスライン(足裏・ヒザ・手など)にしっかり対応する
・サブミッションやスイープに注意する
・ガードの中に長くいない
以上のことを守りなさい、とモレイラ。
この大原則を頭に入れておけば、相手の腰を殺したり、出してくる足を無力化してパスれるというわけですが、基本のクローズドのパス(オーバー&アンダーパス)をはじめ、三角を仕掛けてきたり、ヒザを入れてくる相手に対しても、「原則を守れば……ほら」「原則がこうだからこうやれば……ね?」といった具合に、おもしろいようにパスしていきます。
モレイラが繰り返し“大原則”に言及してくれますし、受け手のブドー・ジェイクとコミュニケーションを取りながら解説する、という教則モノには珍しいアットホームな雰囲気の映像のせいか、内容も頭に入ってきやすい印象。
テクニックのコンセプトを理解もせずに、手順ばかりを覚えようと前のめりになって結局何も身につかない、という失敗がしょっちゅうある僕でも、今回ばかりは原理・原則をしっかり頭にたたき込める気がしている次第です。
DVDは英語版のみで日本語字幕はなし。
まったり口調で話してくれるので、ヒアリング力はそこまで必要ないかと思いますが、どのくらいの英語レベルか気になる方は、ボトムからの展開をレクチャーしている「THIS WEEK IN BJJ」のエピソード104をチェックすれば感じもつかめるはずです。
とにもかくにも、上からの展開に難儀している初心者の方や、小手先のテクにとどまらない達人的な境地を知りたいという方にはぜひ見ていただきたい一作です!
【発売中】
ジョー・モレイラ『OLD SCHOOL SMASH PASS』
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