2017年05月24日
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【Review Wednesday】ルーカス・レイチ「The Coyote Half Guard」

みなさんおつかれさまです、Jiu Jitsu NERDライターの成田です。
今回紹介するのは、ルーカス・レイチの「The Coyote Half Guard」。
しばらく前のことになりますが、ハーフのことを知りたいと本ブログ主宰の橋本欽也さんに相談したところ、「ゴルドやカイオもいいけれどルーカス・レイチも見てみたら?」と教えてもらい、たまにYouTubeで映像を漁っていました。
そんなレイチの教則DVDが登場ということで、自分が通うミューズ柔術アカデミーでも発売前から話題になっていた一作です。
と、本題に入る前に気になったのが、ルーカス・レイチはどうしてハーフを得意としているのかということ。
おなじみ「BJJ HEROS」を当たってみると、彼のハーフガードを発展させたのはレオジーニョという記述があり、ハイアン・グレイシーの道場からレオジーニョのもとに移ったルーカスが、そこで自身のハーフに磨きをかけ、フルタイム柔術家としての決意も固め、アメリカに渡ったとか。
一方、Budo Videosの「THIS WEEK IN BJJ」ルーカス登場回(Episode 92)を見ると、身体に柔軟性があんまりないからハーフをやるようになった、柔術にもノーギにも応用できるテクニックだから、年取っても使えるし色帯(特に青帯)にはいいテクニックだと思う、体重差も克服できる、などと話していて、まさに中年目前の自分にはぴったりなテクニックじゃないかと再確認した次第です。
前置きはこのくらいにして、DVDの内容をチェックしていくと、本作は4枚組ながら各DVDが40分弱と見やすい案配になっています。
1〜2枚目は、タイトル通りハーフガードのレクチャーです。ハーフの状態で片足はニーシールドの状態から上体を起こして腰を抱えるところまでを基本(コヨーテハーフ)に、足のフックをスイッチ&相手を崩してのバックテイクや、ヒザを外に出して「ドックファイトポジション」に移行してからのスイープやバックテイクのバリエーション、さらにスタンドからハーフに引き込んでドッグファイトへの移行など、2枚合わせて29のテクニックが解説されています。
個人的に気になったのが、2枚目最初のテクニック(Getting To Coyote Half From Shoulder Pressure)。
ハーフに入れているものの、肩にプレッシャーをかけられ上体の自由が利かないときに、相手の肩まわりのドーギを持ち上げ、亀のように身体を丸めることでスペースをつくり、コヨーテハーフに戻すというものです。
自分は試合やスパーでよくこの状態になり、足を抜かれて終了してしまうのですが、これを覚えておけば3ポイントを献上しなくて済むかも……と淡い期待を抱いた次第です。
そして3枚目は、なんとハーフから離れて、チェックマットで実践しているというドリルの紹介に突入。
スタンドからのパス&バック、「ジャカレパス」と呼ばれているパス&バックテイク、亀の相手へのバックテイクなどなど、自主練や道場の指導者の方にも参考になりそうなドリルが13パターン紹介されています。
最後の4枚目はハーフのレクチャーに戻り、ノーギでのテクニックを14種収録。
1セットで柔術、ドリル、ノーギと趣向が凝らされており、白帯や青帯などの方は特に参考になると思います。
映像はベルナルド・ファリアの教則DVD同様、いさぎよく1アングルのみ。
とはいえ、見づらいなどのストレスはなく(子どもの声やくしゃみがたまに聞こえたりと逆にアットホーム)、また、英語が得意ではないという方でも、彼の英語はゆっくりめで聞き取りやすいと思います(僕でもけっこう大丈夫でした)。
MMAではこうやってパンチを防がないといけないし……などと、昨今の柔術DVDではあまり聞かない解説の仕方も個人的にはグッとくるところ。
ベルナルド・ファリアも「あいつは最高のハーフガード使いの一人。オレはあいつのビッグファンだ!」と太鼓判を押している一作です。
ゴルド(未見ですが)、カイオ・テハ、ジェフ・グローバーと並ぶ、ハーフガードの名作になるか。
みなさんはどう思いますか?

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The Coyote Half Guard by Lucas Leite | JiuJitsu.com
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