2017年08月02日
btbrasil at 13:35 Permalink
【Review Wednesday】ヒクソン・グレイシー「BUDO CHALLENGE」
毎週水曜日に柔術関連商品をレビューする「レビューウェンズデー」今回は橋本欽也が担当します。
レビューするのはヒクソン・グレイシーが主催した大会「ブドーチャレンジ」のDVDです。
ヒクソンは結構いろんなことに手を出すけど、どれもいつの間にかフェードアウトしてることが多々ありますが、これもそんな中の1つといっていいでしょう。
この大会は2005年にLAで開催され、大会後には継続開催の意向を示すも、結局この1大会のみで自然消滅してしまいました。
当時からIBJJFのポイント制ルールに異を唱えていたヒクソンはサブミッションに特化したルールを考案し、テイクダウンやパスなどには1ポイントに対しサブミッションの形に入ると3ポイントという今大会のみの特別ルールを採用して行いました。
が、その特殊なルールゆえ、当時現役の世界王者だったマルセロ・ガルシアがキャメロン・アーリーに敗れるという波乱が起きたのを覚えてる方もいるのではないでしょうか。
極めを重視するヒクソンならではのルールで着眼点は面白かったですがサブミッションが極まるか極まらないかは紙一重であり、サブミッションの形にさえ入れば3ポイント得られるのはポジショニング無視で極めを狙いにいけばいいというのはIBJJFのルールと対極にあり、また柔術の根幹を否定したようなものという印象があります。
やはり極め重視のルールでは時間無制限で一本決着オンリーこそが至高であると自分は考えてるので極まらなくても形に入れば高ポイントの今大会のルールはビミョーだな、と思います。
とはいえ、そのルールの特殊性からか大会では一本決着が続出し、18試合中13試合が一本決着と、ほとんどの試合が極めで終わっています。
参加した選手もヒクソンのコネクションからかヒクソン門下のシャンジやロバト、当時のムンジアル王者・ジャカレにビビアーノ、そしてホーレス・グレイシーが参加してるのも特筆モノでしょう。
日本からも青木真也を筆頭に小室宏二、高瀬大樹、小斎武志など柔道ベースの選手が多数参戦し話題を集めました。
バラエティに富んだ参加メンバーが集まり今大会ならではのレアな対戦が続出しましたが個人的によかったのはADCCでの再戦となったレオジーニョvsバレット戦でした。
ADCCではレオが辛勝という印象でしたがこのドーギでのリマッチはレオジーニョ持ち前のダイナミックなムーブが続出しあのバレットのガードをパスしまくって最後は極めて勝利(試合直後にバレットはタップしてない!とアピールも覆らず)はさすがでした。
あと当時全盛期だったビビアーノ・フェルナンデスの“フラッシュ”の異名通りの素早い極めは必見!
相手の引き込みにドンピシャで合わせた跳び付き三角のキレたるや鳥肌モノでした。
その他にもジャカレやシャンジも安定した強さで極めての勝利で極めるにはまずポジショニング!という試合ぶりはこのルールを否定しているかのようで面白かったです。
こういった特別ルールの試合でも極めてしまえばポイントなんて関係ない、というのを如実に示したといってもいいでしょう。
ヒクソンが提唱した極め重視の大会「ブドーチャレンジ」、残念ながら1回のみの開催に終わりましたが、その大会が幻とならずにこうやって映像で残っているのはよかったです。
このDVDも現在は入手しづらくなってますが一見の価値あり!だと思います。
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