2018年02月17日
【レポ】ヒクソン・グレイシー・ワークショップ
2/11(日)、東京・駒沢の駒沢オリンピック公園屋内競技場で開催された「RICKSON GRACIE CUP 2018」内でヒクソン・グレイシーのワークショップが行われた。
通常、ヒクソンはヒクソン杯で来日した際にセミナーを開催しているが、このようなオープンスペースでワークショップを行うのは初めてのこと。
さらにこのワークショップは大会参加者は無料で受講で、大会の参加者でなくても観客は2Fの観客席から観覧可能。
またワークショップ最中の撮影もOKというこれまでの常識を覆したものとなった。
ヒクソンがこれまで開催してきたセミナーの参加資格はヒクソン・グレイシーのオフィシャルアソシエーションであるAXISの会員のみに限定されていたり、またセミナーも撮影NGという完全クローズドで行われていた。
それがワークショップというセミナーとは違う形式ながら通常なら1〜2万円はする参加費が実質無料で、自由に撮影ができるのは今まででは考えられないことだった。
これはヒクソンが最近になって方向転換しオンライントレーニングの開設に着手したこと、現在の競技柔術偏重の流れに警鐘を鳴らしていることなどが関係していると考えられる。
とはいえ、このような方向転換は歓迎すべきことで、いままで分厚い秘密のベールに隠されていたヒクソン・グレイシーの柔術がどんなものかという一端が垣間見れたのは貴重なこと。
そして実際にワークショップで披露されたのは通常のセミナーのようにテクニックのやり方や手順を教えるのではなく、体重の掛け方や崩し方、そしてセルフディフェンスに特化した内容だった。
これこそブラジリアン柔術ではないグレイシー柔術ならではといえる技術・哲学が1時間弱に渡ってヒクソン直々に伝授され、その技術の説得力に圧倒され続けてしまった。
ヒクソンがいうように「競技柔術は柔術の一部分でしかない」という言葉には100%同意で競技柔術以外の技術や柔術の本質を語った哲学も非常に興味深い。
今回のワークショップの動画は全編ノーカットでYouTubeにアップしてあるので、ぜひ見てみて欲しい。
ブラジリアン柔術=グレイシー柔術は競技柔術だけでないということに気づくことができれば、より広い視点で柔術を探求できることは間違いないはずだ。
■ヒクソンのワークショップ動画はコチラから!
ヒクソン杯の開会式の後にドーギに着替えてワークショップに臨んだヒクソン・グレイシー。
ワークショップは英語で行われ、通訳はJJFJ代表の渡辺孝正氏が務めた。
柔術=寝技のイメージがあるが、このワークショップでは主にスタンドでの攻防に多くの時間が費やされた。
キーワードはコネクション。
体重の掛け方・崩し方の説明では実際にヒクソンが相手に組み付いて実演。
ヒクソンの言葉通りに動くと相手を倒せたり、踏ん張れたりと、ほんのちょっとの違いが結果的に大きな差になることが教えられた。
ガードポジションではいきなりパンチを振るう場面も。
「ストリートではどんなシチュエーションになるか、すべてを想定しなければならない」とヒクソン。
参加費無料ということもあり、このワークショップの参加者はゆうに100人を超える人数が受講。
6面あった試合場も混み合うほどの盛況ぶりだった。
このワークショップ翌日には通常のセミナーも行ったヒクソン。
そのセミナーのレポートはセミナーに実際に参加した石井拓がレポート予定となっている。
いまモダン柔術からグレイシー柔術に180度方向転換し、オールドスクール系のテクニックに傾倒している石井のレポートは近日更新予定となっているので楽しみに待っていて欲しい。
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