2018年04月04日
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【Review Wednesday】『ゴング格闘技ベストセレクション1986-2017』
みなさんおつかれさまです。先日のJiu Jitsu Timesのエイプリルフールネタに思いっきりダマされた元Jiu Jitsu NERDライターの成田です。
春は別れの季節。といってもすでに4月ですから、学生や会社員の方にとっては出会いのシーズン突入かもしれませんが、お別れといえばあの雑誌……そう、昨年休刊した『ゴン格』ですよね(強行突破)。
31年間続いた格闘技専門誌『ゴング格闘技』は、2017年4月発売号をもって休刊。あれからもう1年経つわけですが、全300号の中から厳選されたインタビューやノンフィクション記事をまとめたのが、今回ご紹介する『ゴング格闘技ベストセレクション1986-2017』です。
最近は出版前のゲラを編集者やデザイナーがSNSでアップすることも多いので、発売前にどなたかの投稿を見て「第1章は柔術なんだな」と何となく覚えていたものの(正確には「柔道と柔術」)、いざ本書を手にしてみると、柔術ネタのボリュームにまず驚きました。
増田俊也氏による「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったか」の連載記事(木村vsエリオ)をはじめ、エリオ、ホリオン、ヒクソン、クロンといったグレイシーファミリーのインタビュー、小野安一や谷幸雄ら世界で柔術の普及に貢献したレジェンドたちのドキュメント……と、柔術愛好家ならグッとくること間違いなしな構成です。
続く第2章はバリジャパ、第3章は日本の総合格闘技がテーマで、特に日本におけるグレイシー柔術黎明期が語られる中井祐樹氏とエンセン井上氏の対談や、佐山聡氏が修斗の歴史を語るインタビューも興味深いです。
柔術がMMAに与えた影響の大きさ、柔術がなかったら格闘技界はどうなっていたのかと、ぼんやりせずにはいられませんでした。
もちろん柔術や総合だけではなく、立ち技格闘技の記事もたっぷり収録されています。こちらは極真なくしてキックなしといった塩梅で、まるまる1章が極真ネタに割かれています。
山ごもりのときは「酢大豆、スルメ、それに生米を食べるのよ。もちろん炊いても食べるが、1日1回はよく洗った生米を食べた」という大山館長のインタビューは最高。ひさしぶりにポンジュースを飲みたくなった次第です。
記事の選別とか編集作業を想像すると胃が痛くなりますが、読み応えは言わずもがな。頭から読むもよし、気になる記事から読むもよし、買って損はまったくない一冊です!
【発売中】
『ゴング格闘技ベストセレクション1986-2017』
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