2018年04月24日
【インタビュー】岩崎正寛:世界王者の組み力を真っ向から受けてみたかった
グアムで開催された「マリアナスオープン2018」の黒帯賞金トーナメントで3位に入賞した岩崎正寛(CARPE DIEM)。
岩崎はヨーロピアンで準優勝し、パンでは初戦敗退に終わるも、このマリアナスオープンでは元世界王者のドゥリーニョに勝利という金星を挙げ堂々の3位入賞を果たした。
そして来る6月には最終目標であるムンジアルに挑む岩崎に今大会の感想とムンジアルまでの練習のことなどを聞いた。
──初参戦したマリアナスオープンですが、まず最初に今大会全体の感想から教えてください。
選手の待遇も良く、またイベントとしてのクオリティも高くて招待選手もみんな世界トップの選手ばかりで、ここで試合をすることがとてもステータスなことに感じました。今大会のオファーを頂いたのも昨年の12月で、ヨーロピアンで準優勝する前のことなので、早い段階から自分に注目してもらっていたのはありがたく感じています。
──トーナメントの初戦は元世界王者にして現役のUFCファイターのドゥリーニョとの試合でした。この試合の感想はどうでしたか?
元世界王者ということもあってかなり気を引き締めてかかりました。体重もあちらの方がかなり上だったので、立ちからじっくり組んでいこうと自分のミスがないように心がけて戦いました。今でも彼はUFCといういう一流の舞台で戦っているのでフィジカル、勝負勘は一流のままだと思っていたので、6分という試合時間をフルに活かして戦うことを心がけました。彼と組んでみて、どうしても世界王者の組み力と言うものを真っ向から受けてみたかったので、試合時間のほとんどをスタンドでの攻防に費やすという試合展開になりました。
──そのドゥリーニョとの試合はレフリー判定での勝利でした。それについてはどう思いますか?
最後に片足タックルで攻め立てれたのは良かったです。あれがなければ負けていたと思いますね。手数は相手の方が多いとわかっていたので、しかしテイクダウンをギリギリまで持っていったのは僕なのであの判定で妥当だと思っています。試合が終わった直後から負けはないと確信していました。最初から圧倒しようとか思ってなくて、ギリギリの勝負になると試合前から覚悟していたので、その覚悟で体格差をカバーしたのが功を奏しましたね。
vsドゥリーニョ
──ドゥリーニョに勝利した後の準決勝戦は昨年度の王者、イザッキ・バイエンセが勝ち上がってきました。
イザッキとの試合では正直、スピードと最初の逆の小内刈りに面食らってしまって、そのままの勢いで一気に持ってっていかれてしまいましたね。何よりスピードと意外と柔らかい膝の関節に驚きました。最後は絞めでタップしたのですが、半分落ちてしまいました。気がついたら耳鳴りがしたほどです。
──最後はセルビオ・トゥリオとの3位決定戦です。セルビオは昨年の茶帯オープンクラス王者で今大会には黒帯で参戦してきています。
イザッキ戦が終わってからすぐに3位決定戦だったので集中力を復活させるのに全精力を注いで臨みました。セルビオはどんな選手かは知らなかったのですが、昨年の茶帯王者ということと1回戦でマイケル・リエラを倒してきていたので相当に警戒を高めていました。試合直後にディープハーフから返して上になり、そこから耐えて動いてパスを狙っていったのですが、なぜ俺に膠着のルーチが2つ入ったのかは謎です。IBJJFルールの基準で戦っていたからなのかはわかりませんが、僕は膠着した覚えはないです。最後はパスまではいきませんでしたがニアパスぐらいまで取ったから攻防の意思を尊重して欲しかったです。しかし勝ちは勝ちなので素直に嬉しかったです。
vsイザッキ・バイエンセ
vsセルビオ・トゥリオ
──この強豪が揃ったトーナメントの中で3位という結果についてはどう思いますか?
まぁ階級が大きかったのもありますが勇気を出して参加して良かったと思います。おかげドゥリーニョという世界王者クラスに勝つことができたので。あと滅多に試合を観に来ない石川(祐樹=CARPE DIEM代表)さんに観にきてもらった上で強豪に勝つことができたので良かったですね。これまでの10分の1ぐらいは恩返しできたかな?と思います(笑)
──賞金の500ドルはどう使いますか?
うーん……あ、NYの滞在費に充てます。5月からまたMG(マルセロ・ガルシア・アカデミー)で修行なので。お、結構使い道あるな(笑)。
──6月に開催されるムンジアルまであと1ヶ月ほどとなりました。これからどういった練習をしていきますか?
とりあえず先ほども話しましたが5月の始めから2週間ほどMGで練習するつもりです。それから日本に帰ってきて減量と調整ですね。
──最近はいろいろなところに出稽古に行かれているようですが、特に強化している点はありますか?
立ち技ですね。レスリングと柔道、分け隔てなく使えるものは全て使っているので。その中で自分のスタイルが崩れないようにテクニックを覚えては自分がこれまで構築したスタイルにうまく取り入れて調整をしています。
──ムンジアルで警戒している相手はいますか?
どうでもいいからルーカス・レプリ、セルシーニョ、JTを倒したいですね。
──では最後にムンジアルへの意気込みを教えてください。
また番狂わせを見せてやりますよ。最強のアップセッターとして。
■今大会のフォトギャラリーはコチラから!
【今日が誕生日の柔術家】マーシオ・ペジパーノ(40)、八木沼志保(44)、村田良蔵(38)、河村作和人(31)
KinyaBJJ.com
©Bull Terrier Fight Gear