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2019年08月03日

【レポ】アブダビグランドスラムツアー東京大会:マスター1黒帯決勝戦

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アブダビグランドスラムツアー東京大会でマスターカテゴリーで賞金が出たのはマスター1黒帯のみだった。

4月に開催されたワールドプロでもイゴール・シウバやマルコス・ティノコらアダルトでも充分に通用するトップ選手らがエントリーしていたが、それは今大会でも同じだった。

ざっと列記するとサミール・シャントレ、ヤン・カブラル、アラン・フィンホ、イゴール・シウバなどそうそうたる顔ぶれがマスター1黒帯に揃っていた。

特に"テレレ2世"として色帯時代に華々しくデビューし、数々のビッグタイトルを獲得しているアラン・フィンホの初来日が実現したのは喜ばしいことだ。

フィンホはテレレと同じくリオデジャネイロ最大のファベーラの1つであるカンダガーロの出身で幼少期よりテレレと共に練習していた選手。

色帯の頃には同じ世代のトップ選手であるマイケル・ランギやドゥリーニョ、オタービオ・ソウザらとしのぎを削っており、ランギとドゥリーニョ相手には無敗で、オタービオにはムンジアルで負傷棄権するまで無敗を誇っていたのだからその強豪ぶりは推して知るべしだろう。



だが今一つその名が知られていないのは黒帯になってすぐにブラジルからヨーロッパに移住し、欧州各地を転々としながかの地でインストラクターの職に就きコンペティションの最前線から離れてしまったからに他ならない。

だがその甲斐あって欧州におけるチェックマットのアソシエーションの充実ぶりは特筆モノで、IBJJFヨーロピアンでもチーム優勝の常連チームとなっている。

そんな中、2016年のムンジアルでvsオタービオ・ソウザ戦で頸椎を負傷し緊急入院、一時期は半身不随の危機に見舞われるも驚異的な回復力で選手としても復帰し再びマットに帰還してきた。

先月のACBワールドではかのルーカス・バルボーザと決勝戦を争い、惜しくもレフェリー判定で敗れるも現役バリバリのトップ選手と対戦してレフェリー判定にまでもつれ込む接戦を演じたのは大健闘といえる。

今大会ではアダム・ワルジンスキ、マルチナ・グラメニウスらアダルト黒帯でも優勝者を輩出し選手してだけでなく指導者としても秀でたものがあることを証明した。

選手として指導者として大活躍中のフィンホの試合がこの日本で実現したことは素直に喜ばしいことだった。



01
マスター1黒帯62kg決勝戦
平尾悠人(X-TREME柔術アカデミー)
vs
大西巧之(REDIPS)
マスター1黒帯決勝戦の中で唯一の日本人対決となった-69kgは平尾が2-0で大西から勝利して優勝。



02
マスター1黒帯69kg決勝戦
サミール・シャントレ(アレスJJ)
vs
アサダ・トシオ(Impacto Japan BJJ)
ケイシーニョと共にアレスJJをけん引するサミールが初来日。
賞金狙いでマスター3からマスター1に年齢カテゴリーを下げてきたアサダを三角絞めで一蹴した。



03
マスター1黒帯77kg決勝戦
ヤン・カブラル(アラーニャJJ)
vs
ブルーノ・アモーリン(グレイシーバッハ)
スペイン在住のカブラルは過去にMMAで桜庭和志に勝ったことがある実力者で、対するアモーリンはドラクリーノ門下の黒帯で現在はシンガポールでバッハ・シンガポール支部を運営中。
一進一退の攻防は甲乙つけがたがったがレフェリー判定でアモーリンが制した。



04
マスター1黒帯85kg決勝戦
アラン・フィンホ(チェックマット)
vs
角田憲之(AXIS)
テレレの愛弟子・フィンホが初来日。
順調に決勝戦まで勝ち上がって、決勝戦も絞めで一本勝ちして優勝を果たす。



05
マスター1黒帯94kg決勝戦
レアンドロ・クサノ(クサノチーム)
vs
ニコラス・ペンサー(スタリオンジム)
足関に絶対の自信を持つクサノだがクローズドを割られると一気にバックに回り込まれて絞めでタップしてしまった。



06
マスター1黒帯120kg決勝戦
セルジオ・ピシリンガ(ナインナインJJ)
vs
イゴール・シウバ(UAE JJ)
2018-2019シーズンのマスター部門のランキング1位のイゴールとAJPツアーを主戦場にするピシリンガの試合は4-2でイゴールが勝利したが、微妙なタイムングでスイープのポイントが入ってしまったことにピシリンガがご立腹の様子だった。



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