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2020年04月11日

【Back to past】2005年のムンジアル

2005
IBJJFのFacebookページに懐かしい画像がアップされていた。

その画像とはレカ・ヴィレイラが優勝した2005年のムンジアルでのものだった。

この年のことはよく覚えていて、その前年の2004年のムンジアルは諸事情により行ってなかったため、2年ぶりのムンジアルだった。

そしてこの年から一眼レフカメラ持参でマットサイドに入り、オフィシャル扱いで試合写真を撮らせてもらうようになったのだが、その姿がこの画像で見られたので、つい懐かしくなりシェアさせてもらった次第だ。



マットサイドにベタ座りして黄色いメディア用Tシャツを着て(このTシャツを着てるのがオフィシャルの証なのだ)撮影してる姿がおわかり頂けるだろうか?

この2005年というのは個人的にも思い出深いムンジアルとなっており、様々なエピソードがあるので、ここで紹介したい。

まず大会的なことでいえば、茶帯フェザー(当時はポルトガル語でペナ級といっていた)決勝戦で佐々幸範と植松直哉によるムンジアル史上初の日本人同士の決勝戦が行われたことで知られているだろう。

もちろんその試合もマットサイドで“目撃”し、その激闘をスイープ合戦の末に制して日本人初のムンジアル王者となった佐々をパラエストラのチームメイトたちとともに喜んだことが懐かしく思い出される。


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■佐々vs植松の試合詳細はコチラから!


また黒帯の試合で、ビビアーノ・フェルナンデスかカーロス・エスキジートだったか、どちらかだか記憶が定かではないが、そのどちらかの選手と戦って惜しくも敗れた吉岡大さんに対し、試合を見ていた某日本人選手がこう声をかけた。

「吉岡くんは立ち技ができないからダメなんだよ!引き込むだけじゃなくて立ちでも勝負できるようにしないと!」と謎の上から目線で説教じみたことを話して「あんな人にあれこれ言われたくない!」と普段は温厚な吉岡さんがガチ切れしてたことも記憶している。

さらにこのにははゴング格闘技の記者として高島学氏のアシスタント的なことをしていた鈴木章太郎と共に行動することが多く、それまでは会場で会えば話をする程度だった章太郎と急接近し、後に氏が創刊に携わる「柔術魂」や佐々幸範の教則本「盾」と「矛」の編集に繋がっていくことになるのも、この年のムンジアルがきっかけだ。

当時、章太郎はパラエストラ東京の所属で、自分はパラエストラ松戸に所属しており、直接の所属先は違えども同じパラエストラという仲間意識もあり、すぐに意気投合。

大会中だけでなく大会後も一緒に過ごして、柔術の話はもちろんのこと、仕事の話やプライベートな話、そして特にオンナ関係に目がなかった章太郎にはブラジルの女性がいかに魅力的であるかを、自らの体験談を交えてつつ事細かに教えてもらった。

そんなこともあり、個人的に2005年のムンジアルは思い出深い大会になっているのだが、佐々も吉岡さんも、章太郎もすでに故人となってしまっているのは本当に残念至極という他ない。

後回しになってしまったが、肝心なこの画像のことだが、当時のムンジアルはまだ女子部門は茶帯と黒帯が同じカテゴリーで試合を行っており、90年代には“女ヒクソン”の異名を持っていた女子柔術家の第一人者だったレカがキーラ・グレイシーに勝ってムンジアルを制覇したときのもの。

色帯時代からキーラは特別扱いされていて、グレイシーファミリー唯一の女子選手であることに加え、若さと美貌を兼ね備えておりカリスマ性すら感じさせられる存在感を有していたが、この頃は黒帯になったばかりだった。

ベテランのレカに挑む若手のホープ・キーラという図式の試合で、会場内もキーラの応援が大多数だったと記憶しているが、そんなアウェイの中ですらキーラを寄せ付けずに勝ったレカはさすがだった。

結果的にこの大会がレカの最後のムンジアル制覇となってしまい、この後には現役生活から一線を退いてしまっている。

その後にレカに代わるようにキーラの時代が到来することになっていくのだが、これが最初で最後のレカvsキーラの試合で、レカの現役時代の最後の花道だったといってもいいだろう。

ちなみにレカはいまも柔術シーンで活動中で、結婚&離婚、そして再婚&出産を経て、子育ても一区切りした現在は長く在籍していたグレイシー ウマイタからチェックマットに移籍し、カリフォルニアのヴァレンシアにある支部を任されてヘッドインストラクターとして指導中だ。

また試合にも復帰して昨年にはIBJJFパンのマスター2ミドルのワンマッチ決勝戦で勝利して優勝している。

と、やや長くなってしまったが、この2005年のムンジアルの画像を目にして思い出したことをあれこれと書き連ねてみた。

いまはコロナショックのせいで柔術シーンもニュースがないため、様々なメディアで過去の振り返り企画などをやっているが、これもそれに便乗した形になってしまったが、今後はこういった過去の思い出話も機会があれば綴っていきたいと考えている。

不定期連載のような形でまとめるつもりの思い出話コラムシリーズ「Back to past」も普段のブログと同様にお付き合い頂ければ幸いだ。


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