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2020年04月27日

【レポ】ヘンリー・エイキンス・トレーニングキャンプinタイby石井拓・その1

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こんにちは、石井拓です。

今回は前回レビューさていただいた書籍に関連のあるヘンリー・エイキンスの2019年の年末から2020年の年始の1週間、タイのプーケットにて行われた「Hidden Jiu Jitsu 」のキャンプのレポートを前半と後半の2回に分けてレポートしたいと思います。

ここでヘンリー・エイキンスの記事を何回か取り上げているので知っている方もいるかもしれませんが、ヘンリー・エイキンスはかのヒクソン・グレイシーの黒帯で、最もヒクソン先生と時間を共にした黒帯といわれています。



これまではカルフォルニアのサンタモニカにあるダイナミクスMMAで週に2日ほど指導するのみでした。

このキャンプの参加者は主にオンラインコースの一つである「Mind Blown Club」という数百人限定コースを受けている人たちも何人かいました。

これだけ競技柔術とは距離のあるヘンリーの知名度はかなり低いのではと思うのですが、毎年ラスベガス、コスタリカ、プーケットなど世界中から集まった40人規模のキャンプを行うのが恒例となってきているようです。

コアなファンが集まってかなり濃い内容をやると思いきや、参加者の多くが白帯から紫帯が中心だったため意外にも内容は基本的な技がメインになりました。

そんなキャンプの詳しい内訳は朝夜2時間ずつのセッション×6日、ホテル代、Hidden Jiu Jitsuのカスタム柔術衣、オリジナルTシャツ込みで約1500ドル(日本円で約16万5000円)という感じでした。

そして参加者はアメリカ(ハワイ含む)、ロシア、インドネシア、シンガポール、韓国、日本、オーストラリア、そしてインド洋の島国レユニオンと初めて聞く名前の国など文字通り世界中から参加しており、逆にタイからの参加者はいませんでした。

キャンプが始まる二日ほど前にプーケットに到着していて現地を少し観光することができ、プーケットはまだ柔術文化が根付いていないこともあってか、MMAのアカデミーであるタイガームエタイで柔術ができる唯一の場所という印象でした。

基本的にプーケットの気候はフィリピンに似ていて12月の下旬でも半袖で少し動いたら汗をかくほどで治安もよく、メインストリートにはヨーロッパ系の観光客を目にすることが多かったです。


●初日〜3日目
そしていよいよキャンプが始まり、気になる内容なのですが基本的にヘンリーの柔術は動画による撮影または写真を撮ることが禁止されていて、まさしく「隠された柔術」となっています。

そういったヘンリーの掟もあり技のディテールを書くことはできませんが、ヘンリーが言及して印象的だったことについて書いていきます。

朝の練習は9時から開始でヘンリーから「このキャンプでは参加しているみんなに一つ一つの技を覚えてほしいので、あまり多くの技はやならい。そして大事なのはここにいるみんなは仲間なのでただロールしてお互いに殺しあうような練習にはしたくない。白帯から黒帯まで様々な帯が参加しているがここでは帯の色に関係なく質問してほしい。ポジション別にそれぞれの技が少しでも上手くなるよう助けていきたい。」という挨拶から始まりました。

全体的に各ポジションからパートナーと2分ずつ動き、それぞれが疑問に思ったことを質問するという形式でした。

そして初日はクローズドガードから2分間のシチュエーションロールをそれぞれ回し、様々な質問がされました。

その中でヘンリーが解説の中で印象的だったことは「クローズドガードを割るときに相手と正対するのではなく、崩されないように手を使うことなくベースを意識することが大事」、「スタックパスをする際に深く担ぐとディフェンスされるスキを与えるためコネクションを作りそこからウェイトを使ってパスにつなげていく」といった様に、ブラジリアン柔術でよく聞く「ドーギの箇所を抑える」という感じではなく、かなり見た目は地味で説明も抽象的な感じです。

その中でも必ずと言っていいほど意識するのが「コネクション(接点)」と「ウェイトディストリビューション(体重の使い方)」です。

詳細は割愛しますが、よくギィ・メンデスが得意とするスタック(担ぎ)パスなどは相手の足を担ぐまでの形を作るのが本当に大変なのですが、ヘンリー式パスの基本はコネクションを作りそこからアタックにダイレクトに変化するので水のように柔らかくなるという感じです。

続いて2日目のテーマはオープンガードついてになり、これは通常のブラジリアン柔術のオープンガードとは全く別物という感じです。

2015年にヘンリーと初めてロールした際にオープンガードの動きがまさかの「足回し」のみでドーギすらまともに握れなかった記憶があります。

通常は相手の袖や襟をコントロールすると思われがちですが、ヘンリーは立っている相手には手は使わず足を使ってグリップを切り、アタックは草刈り、シザースイープやフックスイープなどのシンプルなスイープしか使わないのはセルフディフェンスを意識してると常々唱えています。

「常にディフェンスにおいて相手にコネクションを作らせていけない、ディフェンスにおいてもこちらがコネクションを作りガードになっても打撃をもらわない距離やウェイトを使って守るのが大事だ」と言っていたのが印象的でした。

そして2019年最終日となる3日目はノーギにサイドコントロールからの細かな動きについてになり、ヘンリーの柔術において実はギありとノーギの差はあまりなく、ドーギを着ていてもあまりグリップに頼らないのが特徴的です。

そこで再度コントロールも「両手はポジションをキープするために使うのではなく、常にサブミッションを取れるようにしていなければならい」、「サイドでは特にアングルを変えながらウェイト使えるように意識すること」とここでのキャンプでヘンリーを初めて知る人たちにとっては普通の柔術とは大分違うという雰囲気がありました。



この動画はDJジャクソンをサイドで抑え込んでるレクチャー動画。
見てみてください!



この日は大みそかのキャンプディナーが午後からあるということもあり練習は午前中のみとなりました。

それから夜は海辺のキャンプ地から車でメインストリートの方にあるもう一つのタイガームエタイでバイキング形式でムエタイの試合を見ながらの大みそかの夜を過ごしました。


■後半へ続く


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過去記事「ヘンリー・エイキンス・クラス体験記 by 石井拓」はコチラから!



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石井拓(いしい・たく)
香取&鹿島道場所属・茶帯
千葉県出身

現場29歳で2015年頃にヘンリーエイキンスと出会った事により今までなメンデス兄弟のAOJでやってきたモダンスタイルから切り替え、新たにヘンリーから柔術を学び始める。
現在は地元である千葉の香取道場、鹿島道場で柔術を指導し、年に一度のペースでヘンリーから直接指導を受けている。
■石井拓の過去の記事はコチラから!



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