2024年06月13日
【レポート】ヘンリー・エイキンス柔術キャンプ by 藤岡直哉【ブラジリアン柔術】

皆さんこんにちは。
今回は4月8日〜11日に行われたヘンリー・エイキンス先生の柔術キャンプについてのレポートを書きたいと思います。
ヘンリー先生は世界各地で柔術キャンプを年ごとに開催してきましたが、今回はついに日本での開催となりました。
外国人の参加者が多い中、日本からの参加者も多く見受けられました。

1日目は主にチョークのディフェンスとエスケープでした。
三角絞めのディフェンスでは手のひらの向きが重要で、それ次第で簡単に腕を引かれてしまうので注意が必要。と同時にスタックパスに移行する場合も手のひらの向きで相手の足の運びやすさが変わるとのこと。
エスケープでは三角が完全に入った状態でも解除する方法を学びました。これについては、相手の首に負担がかかるので練習する際は注意すること。
そしてドリルをする際は必ず20%〜30%くらいの強度で行うこと、徐々に上げていき、最終的には100%の状態でもエスケープできるようにしましょうとのことでした。
サイドマウントからの送り襟絞めのディフェンスでは、襟をとらせないためのテクニックを学びましたが、これは相手の攻め方によって自分のウエイトをかける位置を変えます。
それを間違えると相手に襟をとられてしまうので、フィーリングで相手の動きを察知することが大事ということを学びました。だからこそリラックスするのだと。
RNCのエスケープではチョーク側に倒れてしまった際の方法を学びました。
相手にプレッシャーをかけながらフックされた足も解除して脱出しますが、これも手順をしっかりと踏んで確実に行わないと極ってしまいます。
バックマウントからのRNCのエスケープも同様に絶望的な状況から脱出するテクニックは確実かつ迅速な対応が重要だと感じました。
このエスケープはBJJ FANATICSのYouTubeチャンネルにも動画が挙げられているのでご覧ください。
2日目は腕十字のディフェンス、エスケープです。
シチュエーションはクローズドガードからのアームバーです。
ディフェンスに関しては自分のベース(Jカーブ)で相手に腕十字をかけさせないのが1つ。
かけられてしまったらウエイトディストリビューションとプレッシャーで相手を潰しにいくエスケープです。
※相手の腕十字のバリエーションによってかけるウエイトの方向が違うので注意が必要。
※サイドからのアームバーエスケープもディテールが細かく、手順を間違えるとすぐに極められてしまうので一つ一つの動作を確実に行うことが重要。

3日目はウエイトディストリビューションについて。
この柔術の肝ともいえると思いますが、その内容はかなり奥が深く難しいものです。
マウントをとっている状態で相手がエスケープを試みたときにそれを防ぎますが、体重配分によって相手にさらにウエイトをかけて苦しめることができます。
ハーフガードのトップポジションも同様です。とにかく相手にプレッシャーを与え続けます。
ヘンリー先生はどのポジションでも異様なプレッシャーがかかるのですが、それはこの緻密なウエイトディストリビューションによって生み出されるものだと思います。
最終日は質疑応答で、参加者の質問に対して回答するかたちでした。

それぞれ異なったポジションの質問でしたがそれを的確に根拠を持って解説しており、また、技術的な質問以外も受け付けていました。
※2日や3日で習得できる技術ではないので、日々の練習で徐々に精度を上げていかなければならない
※リラックス(ここでいうリラックスとは腑抜けになることではない)して相手を察知すること
※ドリルはとても重要だが、ロールも同じように重要であり、流動的なロールを心がけること
セッションの最後にはペアを組んで2分ずつのロールが組まれ、オフェンスはサブミッション狙いではなく、ポジションをキープし、ディフェンスはそこからエスケープするといったものでした。
この4日間はテクニックもそうですが、先生の柔術に対する考え方、在り方を学べた非常に有意義な時間でした。
そして1日目のセッション後にタクさんが黒帯を授与されました。
茶帯を巻かれて9年かけての昇帯です。
本人もまさか巻かれるとは思ってなかったようで、このキャンプの重要な場面でした。
ヘンリー先生からの黒帯は5人目とのことで、昇帯の明確な基準が分からない中、海外でのキャンプ参加、そしてプライベートレッスン受講等機会を作って直接技術を得ていたので、先生もそれを認めてくれたのでしょうか。
かなり貴重な、そして価値のある帯でしょう。
今回の柔術キャンプはヘンリー先生の主催ということもあり、海外からの参加者が多くセッションが終わってからは、都内各所、鎌倉、箱根等各地を観光していました。
桜がちょうど満開の時期だったこともよかったと思います。
自分は運転手として先生のアテンドを担当させていただき、浅草や原宿、皇居等を観光しました。
楽しんでくれたようで安心しました。
柔術のみではなく、その国の地域の文化や歴史に触れ、参加者との交流を深めるのもキャンプの良さではないかと感じました。
個人的にはヘンリー先生とロールする機会があったのですが、今回はサイドディフェンスからのテイクダウンに凄さを感じました。
このサイドディフェンスは、形としては一見ただ横になって寝ているように見えるのですが、そこからテイクダウン、バックテイク、ガードリカバリーに繋げることができます。
今回はテイクダウンに移行する際の頭のコネクションとプレッシャーが強く、距離を取ろうとしても自分の腰に張り付いたまま離れなく、そのままテイクダウン→パスガードとなりました。
ロールでは毎回違った発見があります。
この技術を体得するには試行錯誤していくしかありません。
ヘンリー先生の知名度はアジアでも徐々に上がってきていて、来年のキャンプはシンガポールで行うとのことです。
昨今の経済状況で海外へ行くことは中々ハードルが高いと思うので、日本でも今後もセミナー等で来日していただければ嬉しいですね。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。


【遠征記】藤岡くんとヘンリー・Part.1【ブラジリアン柔術】

【遠征記】藤岡くんとヘンリー・Part.2【ブラジリアン柔術】

【レポ】ヘンリー・エイキンス・トレーニングキャンプin藤岡直哉

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