2026年07月08日
【大会】IBJJFアジア見どころ紹介 Part.1 ルースター〜フェザー【ブラジリアン柔術】

7月8日から12日までの5日間、千葉県千葉市・千葉ポートアリーナで『IBJJFアジア選手権2026』が開催される。
今回は、この大会の見どころを紹介していく。
IBJJFアジア選手権は2006年に第1回大会が開催され、当初は隔年開催だった。
その後、毎年開催となり、約20年の歴史を持つアジア最大級のブラジリアン柔術大会へと成長していった。
そして今年は、日本では史上初となる5日間開催。
これまで4日間開催はあったが、5日間に渡って行われるのは初めて。
昨年はAOJをはじめ、世界トップクラスの海外勢が多数参戦し、大きな話題となったが、今年は昨年ほどのアメリカ勢の大量参戦はない。
逆に言えば、本来「アジア選手権」という大会らしい顔ぶれになっている。
アメリカのトップ選手が数多く出場するのは豪華だが、その一方で、彼らが出場するとアジアの選手たちが優勝するハードルは一気に上がってしまうという弊害がある。
特にアダルト黒帯は、この大会で優勝するとIBJJFランキングで非常に大きなポイントを獲得できる。
アジア選手権はスリースター大会のため、優勝ポイントは27ポイントで、スリースターで3倍、さらに当年度で3倍となるため、81ポイントが獲得できる。
シーズン序盤にこれだけのポイントを獲得できることから、「ムンジアル出場を目指すなら絶 vs に落とせない大会」とも言われている。
ムンジアル出場に必要なランキングポイントを考えれば、この大会はまさに"一発目の勝負どころ"であり、そのため、本気で世界を目指す選手たちは、まずここを狙ってくるのは必至。
昨年のように、すでにランキング上位でポイントを十分持っている海外トップ選手が多数出場すると、スター選手を見られる楽しさはある一方で、「優勝してもポイントを取りにくい」という状況もあった。
今年はその状況が少し変わり、日本や韓国をはじめとしたアジア各国の実力者が中心となる大会になりそうで、まさに「アジア選手権」の名にふさわしい顔ぶれと言えるだろう。
世界を目指す選手にとって、この大会への出場はほぼ必須と言っても過言ではなく、逆にいえば、ここに出場していないアダルト黒帯の選手は「もうムンジアルを本格的には狙っていないのか」と感じるほどだ。
つまり、ここに集まっているのは本気で世界を目指す"ガチ勢"ばかり。
そんなハイレベルなアダルト黒帯の戦いを中心に、今回のIBJJFアジア選手権の見どころを紹介した「BJJ-WAVE」の書き起こしをインタビュー形式に構成してお届けする。

beonaroll presents BJJ-WAVE
石井基善(石井道場)&橋本欽也(Jiu Jitsu NERD)
■アダルト黒帯ルースター
石井:1回戦は篠田光宏 vs 諸澤陽斗。そして、その次が話題になっているチアゴ・ウエノ vs イヤゴ・ウエノの対戦です。
橋本: チアゴとイヤゴは同門なので、どちらか一方が欠場することになると聞いています。
石井:そうなるとトーナメントの流れも変わりますね。
橋本: そうなんです。しかも今はIBJJFのルール変更で、決勝戦のクローズアウト(同門による棄権優勝)も認められなくなりました。
石井:決勝でもダメなんですね。
橋本:ダメなんです。決勝でも認められないんだから、1回戦でも当然できません。だから話し合いの結果、どちらかが欠場という形になると聞いています。
石井:もう一つ注目なのが正田皇輝vs石井晴。若手同士の好カードですね。その勝者がシードの渋澤諒真と対戦します。渋澤はここ最近、優勝を重ねてランキングポイントを着実に積み上げています。アメリカン・ナショナルでもメダルを獲得して帰ってきましたし、非常に勢いがあります。反対ブロックは、渡辺直哉 vs 澤田伸大。
橋本:澤田選手は久しぶりですね。
石井:世界王者ですからね。その勝者が一昨年の王者の高杉魁と対戦します。さらに、柴田宏太vs大黒喬士。関西勢同士の対決です。
橋本:その勝者が海外勢と当たりますが、この選手がリオグラップリングクラブ所属で、この階級唯一の海外選手なんです。
石井:以前はもっと海外勢がいましたよね。
橋本:いました。でも今回は本当に日本勢が中心です。この海外選手さえ倒せば、日本勢が優勝する可能性が非常に高い。この選手は名前が少し読みにくいですが、ヨーロッパ出身の選手です。所属はリオグラップリングクラブですが、ブラジル・リオデジャネイロのホベルト・アタラのアソシエーションに所属している選手ですね。つまりこの階級は日本人が非常に有利な構成になっています。日系ブラジル人もほぼおらず、純粋に日本勢が頂点を狙えるトーナメントです。
石井:ルースター級はかなり楽しみな階級になりそうですね。
橋本: そうですね。どんな結果になるのか非常に楽しみです。

チアゴ・ウエノ&イヤゴ・ウエノ

高杉魁
■アダルト黒帯ライトフェザー
石井:1回戦は木村健太vs早川太喜。早川選手はマスターでも活躍している選手ですね。CARPE DIEM所属です。その勝者がWIRE JIU-JITSUの選手と対戦します。WIRE JIU-JITSUは韓国の強豪チームなので、決して侮れません。ただ、韓国勢は名前だけではなかなか実力が分からない部分もありますね。続いては井手智朗 vs 永尾澪。
橋本: 永尾選手は黒帯デビュー戦ですね。
石井:しかも、これまでフェザー級やライトフェザー級のイメージが強い選手ですが、今回はさらに1階級落としてきました。
橋本:智朗選手も以前はルースター級で戦っていましたよね。
石井: そうですね。ただ本人も「もうルースターでは戦わない」と話していました。反対ブロックは海外選手と城戸の対戦。
橋本: 城戸選手も黒帯デビュー戦になるんじゃないですか。本来なら先日のアジア競技大会日本代表選考会が黒帯初戦になる予定でしたからね。さらに反対ブロックでは井手史龍 vs 加藤智。
橋本: 加藤選手はこの前も試合に出ていましたね。トライフォース所属です。井手選手はムンジアルにも出場していましたし、実績十分です。
石井:その勝者が岡泉海と対戦。さらに隣のブロックではリン・ユウ vs WIRE JIU-JITSUの選手。
橋本: リン・ユウは台湾の選手ですね。そして反対ブロックには近藤卓弥。近藤選手は以前、石井晴選手に勝っています。しかもマスターの選手がアダルトのトップ選手を破った試合で、本当にインパクトがありました。
石井:その勝者がトライフォース UCT所属の韓国選手と対戦します。韓国勢も今回は複数人エントリーしていますね。最後は丹羽飛龍 vs リム・ジュージュン。
橋本:丹羽選手はAOJ所属。アメリカからはほとんど来ていませんが、日本代表としてAOJ勢がしっかり参戦しています。この階級には、アジア競技大会日本代表選考会で活躍した選手たちも数多く集まりました。
石井: 本当にレベルの高い顔ぶれですね。ここで優勝すれば、「実力で勝ち取った優勝」と誰もが認める結果になるはずです。ぜひ注目してほしい階級ですね。

永尾澪

丹羽飛龍
■アダルト黒帯フェザー
石井:まず1回戦は杉行帆稀 vs 山中健也。杉尾選手の黒帯デビュー戦の相手が山中選手だったはずです。その時は山中選手が勝っていますね。
橋本:ということは、ここもマスター選手がアダルトで勝つという、キャリアの差が出る試合になる可能性もあります。
石井:その勝者がWIRE JIU-JITSUの選手と対戦します。続いては大柳敬人 vs オーバーリミットBJJのワン・バオル選手。
橋本: おそらくワン・バオル選手は中国の選手ですね。オーバーリミットBJJ所属です。最近は韓国や中国、ハワイなど、IBJJFの大会が開催される地域では、現地アソシエーションや道場のネットワークを通じて選手が海外大会へ出場するケースが増えています。韓国にもオーバーリミットのつながりがありますし、中国にもアソシエーションがあります。そういったルートを使って海外大会に挑戦する選手が増えている印象です。
石井:反対ブロックでは、韓国選手 vs 須藤拓真。このあたりから韓国勢が増えてきますね。さらに福島聖也 vs プロジェクト・カイロス・アカデミーの選手。海外勢も徐々に増えてきています。そして反対ブロックでは、X-TREME EBINAの岩崎一志 vs 萩原大揮。萩原選手は欠場の可能性があるんですよね。怪我をしたと聞いています。
橋本:この階級にはチョ・ジュンヨンとユン・ミンホという、WIRE JIU-JITSUの韓国トップ選手2人がいます。さらに下の山では、CARLOS GRACIE JIU-JITSU所属の韓国選手 vs 塚田市太郎。韓国選手については、名前の読み方や情報がまだ分かりにくい部分もありますね。韓国語で検索すると出てくる場合もありますが、そこまで調べるとかなり時間もかかるので、今回は割愛します。
石井:そしてパク・ジハン vs 鈴木和宏。ここには韓国勢の3強の一角がいます。ユン・ミンホ、パク・ジハン、チョ・ジュンヨン。
橋本:これはかなり厳しいブロックですね。
石井:アジアのフェザー級を考えると、やはり鈴木選手と大柳選手がトップクラスで、この日本勢が海外勢をどこまで止められるかがポイントになります。日本勢に一人でも止めてほしいですね。
橋本: そうですね。
石井:このフェザー級は、本当に「アジア最強決定戦」と呼ぶにふさわしい階級じゃないでしょうか。日本と韓国が中心になりますね。
橋本: そうですね。ただ、フィリピン勢もこれから伸びてくると思います。フィリピンは今、柔術自体がかなり盛り上がっていますが、黒帯の層という意味では、まだ日本や韓国には及ばない状況です。これからフィリピンの黒帯選手が増えてくれば、アジア全体の勢力図もさらに変わってくると思います。

杉行帆稀

山中健也

大柳敬人

ユン・ミンホ&チョ・ジュンヨン
■ライト〜はPart.2にて

「IBJJFアジア2026」
日程:7/8-12
会場:千葉ポートアリーナ
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代表&指導:橋本欽也(黒帯3段)

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